私的書き込み
月が霞む
ホテルの朝食は和食御膳と、姫路B級グルメの
ピーナッツバタートースト。
フリードリンクの珈琲の入れ物は茶碗しかなく
BGMはジャズシンガーのボサノバ。
全て、そこまでまずくはないが全て
ゴッタゴタな所がいかにも日本。
気にしている我が身は日本からは浮いた存在なのかも。
プログレバンド「Qui」は20年弱続く希有な
共演メンバーだけに阿吽の部分が多すぎ、
ゲスト参加奏者に譜面を渡しても、イレギュラーな
所を説明出来ないから「自由に」と伝えてしまうが
勝手の分からぬ場での「自由」ほど不自由な事は無いだろう。
申し訳ないが仕方も無い。
アンコールに「水面に月」という曲を演ったが
(ゲストには譜面を渡してもいない、非道い)
この日はスーパームーン、
月までの距離が最も近づく日で
7%程大きく見えるらしい。だが
ブルームーンだピンクムーンだと
毎月何かムーンがある印象で、
一番由緒正しいスーパーか霞(かす)む感じ。
月が霞むとは風流な気もする。
2024/8/22笛吹き野郎
気になる。とは
人の目も耳も大変優秀で、
ズームもオートフォーカスも
無意識に行われるし、なかでも
ノイズキャンセリング機能に優れている。
これを機械で模倣するのは大変な手間だ。
世間は、ゴーとかカチカチとかサワサワとか
絶えず雑音が鳴り続けていて、
壁は薄汚れ何かチカッと光る部品があり
埃が舞い続けている。
世の中とは余計な物であふれ帰っているのだ。
演奏動画あげるため映像編集をしていると
ノイズの除去に多くの手間がかかる。
人はそれらを
「気持ち」だけでミュートさせている。
で、機械でのフィルターを経験した後
人はバグって
ノイズや汚れが気になりだす。
鈍感で繊細な昨日の私に早く戻りたい。
2024/7/8笛吹き野郎
ロックの音楽性に詩を詠むライブ。
長年の朋友Azuma氏は久しぶりのライブに向け、
ボクササイズに通い体力作りから始めたと言う。
一曲目は「さよなら世界夫人よ」は
頭脳警察のカバーだがもともとこの曲は
ヘルマン・ヘッセの詩が付けられているため
ロックビートにヘッセの朗読である。しかも編成は
ベース、フィンガーパッドドラム、笛と
カルトバンド「モーフィン」を彷彿とさえる特殊さだ。
ブッキングマネージャーはパンタさんと縁があるらしく
感慨深げだった、
新曲三曲の他、恒例のお客さんからワードを貰い、即興で
落語の三大話の様に詩を読んでゆくパートも。
「昨日結婚を卒業しました!」という
ブッこんできたお客さんのワードに
音楽も即興でつけるフレーズを考えるのは
悩ましくも楽しい。
短調も長調も合わない気がする。
破綻調、栄路調、遍路調?
2024/4/19笛吹き野郎
ベリーダンスのベリーとはお腹の事で
ベリーロールのベリーと多分同じだ。
確かにやや丸みを帯びたお腹のラインを見せながら
魅惑的に踊る。
ベリーダンスでは小物使いも魅力の一つだ。
「ミラーヤ」と呼ばれる薄いベールをなびかせ、
装飾ステッキ=アサヤを振り、
大型の扇にベールがついたものは大変優雅。
燭台や剣(!)を頭頂に乗せたままアクロバティックに踊ったり
ジル(指先シンバル)やスプーンや木っ端をカスタネットのように
鳴らしたりもする。
思えば他のダンスより複雑なスキルが必要で
あの丸みを帯びた優雅な体の奥には
修練がつまっているのだと関心する。
2024/3/19笛吹き野郎
「千のナイフ」は坂本龍一の78年発売の
1st.アルバムタイトル曲。
題名は、詩人アンリ・ミショーのメスカリン(幻覚)体験を
書いた「みじめな奇跡」冒頭からの引用。
しかしサイケ色もなくただ意気ッて名付けただけの良い曲だ。
幻覚が文化に取り入れられたのは70年代アメリカ、
ヒッピー文化とともに、サイケデリック、
ビートニクなどを産みながら
原色を基調とした(良い趣味←→悪趣味の)
カウンター文化として、
70年代にピークを迎えるが。
個人的には目新しさにとらわれ、音楽文化のほうでは、
構成感を捨て陶酔に全ブリしている所が、
ちょっと苦手だなと思っている。
似た所で「幻想文学」というのがあって.日本では
稲垣足穂、内田百ケン、夏目漱石の短編等、
不思議な夢を見ている様なまさに幻想的な内容を
綴った文学があり私は大好きなジャンルだ。
音楽ではケイト・ブッシュやプログレの歌詞の世界観等は
幻想をテーマにしているのだろう。
こういった物に興味を持つのは、私自身が
夢を見る事が少ないからかもしれない。
2023/8/22笛吹き野郎
ライブ直前に肩を叩かれ、振り返ると
中学の同級生や大学のフルート科の同期生が
「来て見たよ!」と立っている。
そんな事がたて続けにあり。
ありがたくも気恥ずかしく
珍しく緊張などしたりする。
中学の頃は吹奏楽部ではあったが
その同級生とは机を挟んで
バカ話していた姿しか見ていない。
大学では多少変わり者にみられてはいたが
クラシックを学びあった同士。
ジャズやブラジル音楽など聞きつけないだろうに
楽しそうに演奏したのが良かったのか
楽しんでもらえたようだ。
あとバンドメンバーは学生時代の黒歴史を
根掘り葉掘り聞き出すのは止めて欲しい。
2023/8/12笛吹き野郎
フルート、舞踏、タップの三人での公演。
彫刻の様な(切れてる!)筋肉のスジを
道に見立てて鑑賞するロードムービー、
バディ兼ストーリーテラーのように柔軟に踊るタップダンス
そのサントラ担当。
米澤氏はタップ以外の領域も柔らかく取り入れフトコロ深く
私とのノリシロを作り、しかし
タップ踏むとなればガツガツ格好良く切り刻む。
彼とは10年来なので不思議に通じる所が出来ている。
舞踏岩本氏は舞台中央にロウソクを灯すと
ゆっくり、立つ・座るを繰り返す。
ダンスとの違いは「存在感」と
顔合わせの時に語っていたが彼の舞踏は
まさに人体の存在を鑑賞するといった感じだ。
演奏の方はなるべく色々な風景を
見せたいなと思っていたので
現代音楽、民族音楽、ジャズ長と芸風を変え
最後にアメージンググレイスを吹き
舞踏岩本氏がロウソクを吹き消し
終演と鳴った。
2023/1/21笛吹き野郎
楽器備忘録
ニッケルハルパ、フィンランドで演奏される、
バイオリンの指板に大正琴の鍵盤をつけたような、
そしてギターの様に腰元につり下げて弾く楽器。
やや短めの弓だが共鳴弦が沢山あるので
とても良く響く。
バイオリンより張りが弱く力奏する物でもないので
弦はほぼ切れたりしないが
メカニカルで弦も多いためいざ切れたら大変だそう。
弦楽器でも鍵盤楽器でもなく機械楽器というカテゴリ。
これは他にハーディガーディ
(あと恐らく大正琴)しかない。
笛、穴があいていて吹いて音が出ればフルート属。
葦、竹、骨、石に穴を穿った物もある。
ヨーロッパ・クラシックのジャンルで発展した物は
銀製が多いが時代、用途によって
木、金、鉄メッキ(洋銀と呼ばれる)、
プラチナも使われる。
右親指は楽器を支えるためだけに使い
9本の指を使いキーを開閉して操作する。
現代フルートは16個の穴が空いているが
一度に2つ塞ぐキー、特殊な変え指に使う時以外は
閉じているキーがあるので大丈夫だ。
2022/12/26笛吹き野郎
go to a cafe
ロココ調のテーブル、
メニューには紅茶が数種類。
床には紅い絨毯が敷かれ
仰々しいシャンデリアもある。
チョークを身につけた御婦人が
モンローウォークとヨガを
足し割りしたような腰つきで紅茶を置く。
緩く細工された擦りガラス越しに
外を眺めると
東京の繁華街のはずが
ケープやシルクハットを
身につけた人々に見える。
映画で見た古いベイカー街のようだ。
お茶うけにトルコ語の包装のお菓子がくる。
BGMが鳴り始め、
なぜか5人組アイドルのライブ音源らしい。
目にも喉にも耳にも
少しずつ引っかかる違和感。
--BGM--
Sherlock Holmes A Game Of Shadows - Main Theme
http://www.youtube.com/watch?v=nM0OxK8fcW0
2022/12/2笛吹き野郎
ブルガリア大使館で演奏。
実は大使館には4年前にも訪れていて、
その時は。バルカン音楽の
最初のライブイベントのために
実際の食文化やブルガリア情報を取材させてもらい
ライブで配る用のパンフを敷こ貯まいただいた、
それから4年後、イベントの第一部は
大使のアラバジエヴァさん自ら
ブルガリアの歴史文化を紹介し
第二部は我々の演奏で音楽を紹介。
ブルガリアンヴォイスや
25拍子舞曲等で楽しんでいただいた
プログラム最後に演奏した「ヨベ・マレ・モメ」は
アラバジエヴァ大使の育った街で
良く演奏されていたとの事。
ブルガリアにはカヴァルという斜めに構える
独特の音色の笛があるが、アラバジエヴァさんから
貴方の笛はカヴァルの様に聴こえると言っていただく。
光栄.かつ色々感慨深いイベントだった。
2022/9/26笛吹き野郎
No.1という店名は思い切っている
俳優が演じている様な理想的なマスター
暑うございますね、いかがいたしましょう
快活だが台詞の様に静かにカタく話す
「ブラジルNo.2」を注文
運ばれたカップの模様が「33」に見える
チーズケーキを食べ終えた皿に大きく
「0」と書いてある
この店は全てをナンバリングしているのか
ふと痛痒感がはしり袖をめくると
昨日かきむしった腕の傷が「6」に見える
No.6とはパッとしないが
明日には消えてしまうかもと思うと
不安と愛おしさが一瞬よぎる
会計を済ませる
店のドアには小さいステンドグラスか
はめ込まれていた
「=」に見える模様
店の外では計算が行われている
2022/9/17笛吹き野郎
先日、自分の参加したCDのサンプルが届いた。
再生スイッチを押すときの高揚感は
今の時代になっても変わらず、ある。
LP、CD、DLと再生ボタンを押すまでの手間は
どんどん省かれ手軽くなっているが
手軽さのために省かれた色々な物の中に、
実はかけがえの無い重要な物が
含まれていたのではないか。
好みが愛にまで昇華されるとき
視線は細部に向かう。
ジャケットアートやライナーノートの
細かい情報など
一見「余計、手間、偏(かたよ)り」に感じる
そんな必要悪が
「愛や文化」に直結していると思うのだ。
今やサブスクやユーチューブの関連動画で
スイッチを押す事も無く好みの
音楽に出会える様になっている
そこに愛はあるのだろうか。
2022/7/30笛吹き野郎
Neighborhood Paths〜近所の小道〜
散歩には「何考え無し」「漠然考え続け」
の2パターンがある様に思う、そして
どちらの時にも曲が降りて来る時がある。
学生時代に東京から河口湖まで
自転車旅行した時、初めて
世の中はつながっていると実感したし
さらに海路空路を経験すると
それは「世界」に拡大した。
世界を闊歩するにも時間は限られている、
考えるために歩くのではなく
見るために歩くのではないか、
見れば考える、考えると見ていない、
自分を見ている、これは
同じフレーズを転調しているだけではないか。
で、世界の事を近所の小道で考えていたら
13回転調し3ヶ国の曲調を盛り込んだ
曲が降りて来た訳です。
2022/6/14笛吹き野郎
クイック書き込み
久しぶりにユニバーサルバンド「Nuvires-La:ヌビレスラ」の
動画が上がりました!。
ブラジル風〜アイリッシュ風〜バルカン風と続き、
31拍子に到達します!
Neighborhood Paths - Nuvires-La
https://www.youtube.com/watch?v=TeONT1WCXQg
2022/6/11笛吹き野郎
木下先生の話。その一。
例えばM教授門下は朝から晩まで
アンサンブル練習のところ
木下門下の夏の合宿は楽器持ち込み禁止
茨城のド田舎の海岸近くの別荘で
昼はひたすらゴロゴロし
夜は先生が釣ってきた魚を
七輪で焼いて食べるという平和な時間
年末に先生のお宅で先輩方に混じって
宴会に参加させていただいた
一度、途中でちょっと隅に呼ばれ
宮内庁で演奏会があると貰えるんだよと
菊の紋が入った饅頭をポンと渡された
何かわかる感覚があった
演奏にしか興味が無いから
名誉など興味が無い、だからくれた
私に何かあげたかったのだろう
私も菊に興味が無い
でも先生に何か貰えた事が嬉しかった
2022/1/14笛吹き野郎
木下先生の話。その一。
木下先生は大学時代にフルートを教わった
私の直接の師匠という事になる。
N響の初期メンバーであり当時は宮内庁楽団に所属、
しかし私の卒業と同時に教授定年を迎えるお年だった。
何かの時に聴かせていただいた若い頃の演奏は、
華麗かつ重厚。しかし、困った事に
「教える」事に関しては無頓着。
レッスン曲をどう吹けば良いか教えてくれず
間違えずに吹けば「良し」、
間違えれば「間違えたね」と言われるだけ、
そんな事より手のひらサイズのエンジン模型を作っただの
卓上コップ一杯分温め直し機を買っただのという
雑談が始まる。
自由なのは助かるが私の向上心の納得がいかない。
そこでこの曲は先生だったらどう吹きますか?とか
デュエット曲を持ちかけたり
とにかく吹かせて吹かせていい所を聴いて「盗む」
ということをやっていた。
2022/1/4笛吹き野郎
[日本独自]の宝庫、琵琶。
枇杷の形に似たボディは
共鳴が期待できない程ブ厚い板で
弦は絹糸を組紐編みにし、
耐久性のためウコンで黄色に染め、
銀杏の葉の様に大きく広がった
20cm程の異形のバチで叩く。
バチンと衝撃音の後、ベインと弦の残響が響く。
ボディと弦は5cmも離れていて
フレットも高さ4.9cm、幅1cmとこれも異様。
高さ1mmの差が西洋では避けられる
ビビりを意図して生じさせる。
常に弦を絞りあげベンドが伴う音程は
声と笛のベンドと相性が良い。
元来、共鳴にとらわれない自然の音に耳を澄ます
リズムとは違う「間」でテンポを取る。
日本独自の文化、
ヨーヲッ。ポン。で手拍子があうのは
実はとても大事で重要な事だと思う。
2021/12/22笛吹き野郎
現代邦楽のライブに向けて練習を始めている。
そもそも邦楽、日本の伝統的な音楽、は
世界の中の色々なジャンルと比べてみても断然異質だ。
いただいた譜面に小節線が無い、
時を秒で区切り、
16分割で箱に収めるルールでは無い世界。
五線譜とは西洋だけのローカルルールだと思い知る
ロレツ斗為巾(トイキン)と文字に書き付け
定量ではない音程・音価を、対面で口伝する。
揺らぎ、不安定に見えながら、
樹々や人の姿の美を愛でる時のある種の類型があり、
そんな感じを「型(かた)」で示している。
今やそんな日本独自の音楽性は
私の生きてきた世界から遠く、理解に時間がかかる。
しかし
興に乗って1本締め、よぉ、ポン、など出来るうちは
ワビサビ、幽玄な希望もあると思って
取り組んでみよう。
日本人である特権だ
2021/11/2笛吹き野郎
伊豆大島へはのんびり数時間の船旅。
こんなに長く船に乗ったのは。十年前、
水戸から北海道の船上演奏の仕事以来だ。
2往復、二日間だったので印象はまるで違う。
10年前のその日のサンフラワー号は
台風がギリそれて太平洋を通過、つまり
船はモロに影響を受け映画「船上のピアニスト」の
ワンシーンの様に嘘みたいに揺れた。
メンバーはジャンベ、京劇ダンサー、私の三人、何だそれは。
普段は国立で画廊をしている限りなく怪しい
ジャンベ担当が連れてきたルシちゃんは
小柄でコロコロ笑う中国語訛りの少女。
しかし京劇衣装に着替え、剣の舞を始めると
別人の様に立ち回り
揺れに揺れる舞台上で片足1本で見栄を切り
1mmも軸がぶれない。驚愕だ。
聞けば名のある祖父の代からの京劇の血筋で
凄い修行をしていたらしい。
私にとって初めて中国の曲に触れた機会だった。
2021/10/17笛吹き野郎
曲名は「Neighborhood Paths(近所の小道)」
新曲を作った、リズムが4回変化し、
最後に31拍子になる。
転調は15回。
近所を散歩している時に思いつく事も多い。
といっても一所(ひとところ)に長く住んでいるので
目新しい物が見える訳も無く、
見慣れた景色をボゥと眺めながら
アイディアと記憶という頭脳の小道を散策する。
一番始めはブラジルのタンボリンのリズム、
最後は中東のカルシラマというリズムと
ブルガリアのオロというダンス形式の
二つを足して2で割らなかったら
結果的に31拍子になった感じ
頭脳の小道に転調と31拍子が落ちていたので
拾い上げたまでだ。
色んなアイデアの小さい花を摘み取り
家に帰って五線譜のプランターに移し替え
上手く育てば一曲出来上がりと言う訳だ。
2021/7/19笛吹き野郎
フルーティストの無い物強請(ねだ)り。
ピアノは和音や対旋律が出来、
ギターも重音、エフェクターとか格好がいい。
バイオリンの紅の音色、
トロンボーンのベンディング、
ベースが支配するグルーブ、
ドラムのリズムの貫通力。
フルートで声でハモる、リングキーのベンドの多用、
3度トリルそしてビートボックス等の
特殊奏法は全て他の楽器への憧れから来ている。
こんなに特殊奏法を使える私は
器用なのだろうか?いや、
本当に器用な人はマルチ奏者として
実際その楽器を演奏できる様になるだろう。
意外と複数楽器が出来る人は多いし、
ならば強いて言えば私は
不器用界の器用な人。
フルートと言う刀一本しか持っていないので
リンゴの皮むきも封筒空けも斬撃も抜刀。
間違いなく行き方は不器用だな。
2021/2/3笛吹き野郎
フレームドラムと言う打楽器の種類がある
一般にはタンバリンが有名だが
ブラジルではパンデイロ、タンボリン、
アイリッシュではバウロンと呼ばれる。
バチの形、叩き方が違い、音色がまるで変わる。
球技でルールが違えば
試合内容が変わるのに似ている。
ファウンドフォーハルモニウムという
アイリッシュの流れを汲む曲を
サンバのリズムで演ってみたが、
楽しくアゲアゲな気分は共通で
わりと上手く行った。
球技で言うと
クリケットにサッカーが乱入した様な物か
音楽はたまにそれが許されるから楽しい物だ
2020/11/14笛吹き野郎
先日のブーゲンビリアーズのライブでは
パンデイロ奏者Y氏がゲスト参加。
ブラジル的なジャバンや
ルイス・ゴンザーガの曲が本格的になった
7拍子のエルメート曲やデンマークの
変拍子トラッドにも挑戦してもらい
思った通り素晴らしい出来。
細かく考えずに聴けば
変拍子とはいえダンスミュージック
ノリ良くハッピーな曲ばかりなので
お客さんにもおおむね好評
ブルガリア曲のホラデラムントは
5拍子にも4拍子にも3拍子にも聞こえる
不思議な曲
アラブ圏の有名曲ランマ・バダ・ヤタサンナは
中東の斜め笛ネイの奏法を取り入れてみた。
いや本当にフルートで斜め笛の奏法をやるのは
異次元に難しいが
新しい奏法、音色を手にするのは楽しい。
曲目は→こちら
2020/11/3笛吹き野郎
中学生の頃、
自分がビブラートをかけられるとわかったときは嬉しかった。
フルートでの話だ。
不思議なもので歌ではまったくかけられない。
得意になろうと一秒間正確にn回とか
だんだん早く遅くなど色々練習した。
普通は譜面ではビブラートの表記は存在しない。
奏者が「表現」するために自由に付加するものなのだ。つまり
ビブラートとは表現する気持ちの表れそのもの。
自分が表現する事が出来ると知ったのが嬉しかったのだ。
ビブラートの種類は色々ある、実に色々だ。
各ジャンルに理想のというかお決まりの掛け方がある。
小節(こぶし)と一体化していることもあり
尺八では首フリ三年等と言われている。
アイリッシュでは指穴を細かくずらす事で
ビブラートをかける。
音が震えると心持ちも震えるというのは
どういうこと事なのだろう。
2020/6/28笛吹き野郎
こんな時期でも録音の仕事に呼ばれる。
行くとすぐ録音ブースに隔離される業務なので
ありなのかと思う。
去年の今頃、大雨の時に久しぶりに会った
ドラマーMさんを思い出す。
ブースの小窓からビショ濡れの足を
ニョキッと見せ帰って行った。
顔を見たのはさらに半年前。
元気だろうか。
今やデータのやり取りだけで曲を完成させるなど
良くある事だが、
いい音楽を聴いた時に、ふと隣を見ると
忘我で目を輝かせ聴き入る同じ想いの誰かを見る事、とか
まぎれもなく目の前の人物が
楽を出す器を驚異的にあやつり
その振動を自分が直接感じていると実感できる事、
つまり「ライブ」で音楽に「会う」ことの価値を
本当にしみじみと感じている。
2020/5/10笛吹き野郎
演奏はバルカン音楽ユニットArteNitsa。
トラキアの衣装に身を包んだ三人の踊り手が
常時スキップするように踊り回る。
ブルガリアンダンスとのコラボ、
とても華やかで素朴、に見えて全編変拍子だ。
トラキアとは、ブルガリア、トルコ、ギリシャにまたがる地域、
他にショップ地方、セベル地方等があり、今の国とは違う
紀元前からある地域の名称。文化圏。
日本で言う尾張、美濃のような、一寸違う気もする。
密かに楽しみにしていたダンスがあって
2チームにわかれダンス合戦、しかも
一方のダンスの時にもう一方は、
あの踊りはイマイチだなぁ、という小芝居をするというフォーム。
なかなか楽しい。
次回コラボするブルガリアンボイスのメンバーも来ていた事もあり
最後は7拍子の曲ながらお客さんも参加し、
全員で輪になってブルガリアンダンス。
2020/2/2笛吹き野郎
ルーマニア料理屋で忘年会。
まずは聞いた事のない名前のビールを頼む。
あとでベルギー産と判明。
ルーマニア料理とはという前知識もないので
美味しそうに見えるメニューを次々注文。
肉料理はやや中東風味のようで
ソーセージはスモーキー、
テーブルのオリーブオイルは
芋キノコのソテー等に自由にかけられる。
ドラキュラよけか、ニンニク強めで美味い。
バルカン音楽バンド「アルテニッツア」のメンバーは
以前、2拍3連-2拍5連の複合拍子という
ルーマニア曲で苦労した事があり
壁に飾られてる民族衣装や
ルーマニアンBGMに興味津々である。
熊みたいな店主に、
何故そんなイナカ(?)の曲シッテルノカ?
デザートのクレープは車くらいデッカイぞ(嘘)
など話してもらい
色々堪能できた。
2019/12/19笛吹き野郎
初顔合わせの会議室、手違いで入室出来ず、
皆でハニカミながらじっとうつむき加減でドアの前で待っていたのを思い出す。
それからはまるで「登山」のように。
真っ黒な譜面をはい上がりながら時折目線を上げると
「ハーモニー」や「自由」や「協調性」や「個性」、
もっと見上げると「ブラジルのリズム」という景色が見える。
そして突然頂上に着くように本番なのだ。
イチベレは舞台袖で「SAKE」を出しブラジル版ファミーリア「固めの杯」をし、
スタッフにも、君達もファミーリアなんだと勧めていたのが印象的だった。
ライブ録音はブラジルにてMIXされ、4K録画もされていたらしいが、
「ライブ」での感動が自分の真実。
2019/11/18笛吹き野郎
打弦吹擦、「打楽器、ピアノ、フルート、チェロ」
この四人でオリジナル曲を出し合おうという話で
集まった曲が変拍子の難曲ばかり。
それもそのはずで、私が発起人で昨年にやった
変拍子セッションがこの企画のきっかけだったからだ。
しかし頑張って演奏してみると映画の中で流れる音楽の様な
とても上質で素敵な内容ばかり。
それもそのはず、メンバー皆、普段はポップス等
サポートで呼ばれそのバンドで難しくて使ってもらえない
しかしお気に入り、とっておきの楽曲を
いそいそと取り出して来たのだ。
難曲を作りたかった訳ではなく
愛情を込めて作ってみたら難曲だったのだ。
私の曲の話で申し訳ないが
「ジルコン・椰子・メリオネス」という3曲を演ったが
ブラジルっぽい中にもキラキラする要素を入れたかったジルコン、
縦に横に波に揺れる気持ちが変拍子にでてしまった椰子(パーム)、
南西アジアの荒涼とした荒れ地に生息する砂ネズミの学名、メリオネス。
なかなか演ってもらえないがお気に入りの曲達だったので
ホントよい機会でした。
2019/5/2笛吹き野郎
実は大変な多民族文化イベントだった。
玉を使う球技と言う括(くく)りの中でも
ルールが違えば卓球から大玉転がしまで違いが出る。
先日のライブ、我々アルテニッツァは
バルカン・コーカサス、大体30数カ国、
対バンのジャンルはインド、実は広い国で
紙幣に17の言語が書かれている程、
多様な民族と文化がある。
Arte Nitsaのレパートリーの中だと
マケドニアは土臭くアルメニアは別の素朴さがあり。
中でもブルガリアは変拍子が多く、しかし基本
ダンスチューンなのでノリが良い。
バルカン全体的にはジプシーやトルコの音階の影響、
そして凄まじく細かい小節(コブシ)回しがある。
インド音楽は私は分らない。
旋律が、小節が、拍子がリズムがという概念が
私の馴染んで来た物と違うのだ。
しかし聴いているとスリリングで心躍るのだ。
音を出して楽しもうぜ、が地域によってこうも違うとは。
次回はアイリッシュ・ベースのバンドが対バン。
楽しみだ。
2018/10/9笛吹き野郎
カンタベリー・ミナス顛末
ブラジル音楽で出会った素敵なカテゴリ
ミナス系、
プログレで出会った素敵なカテゴリ
カンタベリ系、
耽美的で複雑精緻な進行が特徴な両ジャンル
直接の影響は受けていないはずだが近く感じる。
これはまるでオーストラリアの有袋類の様な
平行進化と言えるのではないか。
それそれの以前の形式の要素の一つ、
サンバの土着さ、
プログレの作為さと骨太さ、それらの
カウンターカルチャーだと踏んでいる。
私はとても近い物を感じていたのだが、
ミの良さを知る物はカを知らず
カの良さを知る物はミを知らない、
ならばと並び立てて演奏してみる企画を立てた。
やってみるとあの美しさの水面下に
恐ろしく複雑なコード進行に変拍子、
非常に大変だったが、ご好評いただき
しばらくしたらまた取り組んでみようと思う。
2018/5/19笛吹き野郎
バルカン顛末
ボヘミアンホテルという箱から
「何か」という演奏依頼を受けた。
ちょうどセッションし始めた
バルカン音楽ユニットで出る事にした。
バルカン音楽は東欧:中東を流浪した
ジプシー/ボヘミアン/の音楽という側面がある。
今回の選曲にブルガリア・セルビアの曲が
多かった事からフードメニューに
「ムサカ」というブルガリア風肉じゃが
チーズとヨーグルトのせ
スパイシーなワインが決まる。これは
ブルガリア大使館と料理店に取材した結果。
特に大使館では
コストヴァさんという文化担当女史に
興味深い話を色々聞く。
やはりヨーグルトは大好きらしい。
音楽的に重大な事、東欧のジプシー
特にブルガリアの拍子は高速変拍子
どう大変なのかは言葉で説明し辛いので
是非聞きにきていただきたい。
2018/5/4笛吹き野郎
「黒い瞳」
この曲はミクスチャーな経緯のある曲で
単純なロシア曲ではなく詞はウクライナの詩人、
内容はロマ(ジプシー)の女性の恋情。
曲はドイツ系のロシア人、
ロマ的なハンガリー音階のメロディー。
異国由来の創作者が、
異国情緒を曲に込めている。
今回ユニバーサルバンド「ヌビレスラ」で
タンゴミロンガ、ワルツ、
ジプシージャズと三部構成にアレンジ。
とてもバンドと相性の良い曲だ。
さて私にとって「黒い瞳」思い出は
フレッド・アステア「踊らん哉」だ。
最良の相方、ジンジャー・ロジャースと
素敵なダンスと恋愛模様を繰り広げた後
ラストシーンで彼女の言う最後の台詞が
「オティチョニア!(黒い瞳!)」
白黒映画なので本当の瞳の色は判らないが。
私にとって黒い瞳とはジンジャーなのだ。
2017/10/21笛吹き野郎
スウェーデン音楽のセッションに行って来た。
巣鴨の地味な建物の扉を開けた瞬間
北欧の感覚をワッと浴びせられた気がした。
質素な内装、漏れ聞こえる楽器の音色、
集っている10数人の人柄、の色々が
なんというか「北欧」の感じ。
会議室くらいの部屋に端から
滅多に出会えない楽器・奏者ばかりが
スウェディッシュミュージックを
バリバリ演ってゆく。
ケルト音楽だがアイリッシュとは違う。
俺にはまだ判らない。
読めないスウェーデン語の題名の
譜面があったり無かったりし
無ければその場で(必死で)覚え演奏。
リーダーのニッケルハルパ(楽器名)さんの
ニュアンスを何とか模倣する。
久しぶりに新たなジャンルを一から
レクチャーしていただいたが、
新鮮な気持ちで学ぶ事は
いくつになってもピリッとして良い物だ。
-----この日、出会った楽器-----
ニッケルハルパ、アコーディオン、
アイリッシュフルート、ティンホイッスル、ロー・ティン、
フレットのあるヴァイオリン、洋梨な形のバイオリン、
ダルブッカ、三点ドラム、尺八、篠笛、笙、柳の笛
2017/9/19笛吹き野郎
go to a cafe
カフェで味わうほろ苦い思い
ブレンドの9番、これを
飲み終われば用事はなくなる
この店も明後日にはなくなる
と思うと名残惜しく
何故頼んだのだろう 追加
珈琲リキュールのデザートカクテル
居続けるための手持ち無沙汰さ、と
最後の一杯は飲み終わった、事
そして好奇心
色々の気持ちの、カクテル、と言うか
何が書いてあるか判らない絵
壁が手で塗ってある暖かい感じ
程よい数のメニュー
向かいの女性が同じ物を頼んでいる
同じ思いなのではないだろうか
意外と強い度数のリキュールに
ちゃんと甘いクリームが乗り
焼いたコーヒー豆が数個
--BGM--
Thelonious Monk - Everything Happens to Me
http://www.youtube.com/watch?v=0K6Cwl6hHNA
2017/9/7笛吹き野郎
恵比寿にてダリア。
ウィスパーボイスの彼女は東京では十年ぶりにライブ。
相変わらず驚愕のお洒落さと美しさだ。
十年前の私はフリージャズ→バップジャズ→ボサノバと
演奏テリトリーが移って来ていて、まぁしかし
野人が手芸を始めました、
と言った感じだったと思う。
ボーカルK嬢は即興演奏も
聞きに来ていただいてたので
私の出自が野人である事は知っているし
元は野人であろうとこの手芸は使える
と思って呼んでもらったのか
ありがたい事だ。
声は密(ひそ)やかだがフトコロはデカイのだろう。
十年ぶりに聞いてもらうお客さんもいて
年季を感じたとのお言葉。
十年前はそれなりに青く
今やそれから学べた何かもあるのだろうか。
2017/8/30笛吹き野郎
ブラジル音楽は非常に奥深く楽しい。
南米大陸の中でも結構大きく日本の22.5倍位
地域によっても音楽性が多様だ。その原因は
15世紀からの欧州人、そしてその連れて来たアラブ、
アフリカ由来の奴隷の入植の影響だ。
つまり、主にポルトガル、スペイン、
マグレブ圏の文化、リズム、楽器、がさらに
独自に混じりあって南米の文化は出来ている。
南米の文化をたどると欧州の文化もたどる事になるが、
ヨーロッパ大陸の国は地続きであり、
民族大移動は地中海を挟み北アフリカまで、
国境と文化が時代とともに入り交じり
さかのぼればローマ帝国以前の紀元前、
関わる国は、欧州50カ国、アラブ圏20ヶ国、
そして南米15カ国。
いまはるか遠く広大な大地と歴史が、
薄凡やりと目の前に広がり始めているが
頭の後ろの方でじんわり浮かぶのは
「世界史、授業しっかり聞いてなくてすんません」
という自責の念。
2017/4/4笛吹き野郎
季節の変わり目、高気圧が過ぎ低気圧が過ぎ、
また、室内外の気温の差が激しいと
音程が非常に定まらなくなる。
フルートは木管楽器ながらほとんど金属化され
唯一残された頭部管の中にある
三センチのコルクの部分が影響を受けるようだ。
空気は温度が高くなるとより振動しやすくなる。
つまり若干ウワズルのだ。
もちろん非常に微妙な話だが、
ピッタリのつもりがそうでなくなる、
ドアはきしみ、ウドン喉越しが変わり
デュエットはそこはかとなくハマらない。
やはり大問題だ。
一番問題なのは私の体が丈夫過ぎて
温度気圧の変化をモノともしない、
変化を感じ取れない事だ。
2016/9/1笛吹き野郎
久しぶりにシーアネモネという曲を演った。
磯巾着の事だ。
ガザニアという曲も演った。
勲章菊の事だ。
妙な形の生物に巾着や勲章を見ているわけだが
さらに、実はただの妙な空気の振動である
「音楽」に花や海洋生物の題名を与えてる。
人間は柔軟である。
ライブ場で借りしたマイクがとても良い音がしたので
PAさんに報告すると
「そうですね、真ん中辺りがクリッとなる」。
周波数帯の中域の音質の分離が良くなる、
と言ってるのだろう。
他にカリッと、フワッと等と言いながら
エンジニアさんはイコライザの数値を
高域を3デシベル下げたりしている。
意外とケーキ屋さんのカリッフワッも
砂糖3グラムや焼き3分を意味するかもしれず
味がある様な、無い様な話だ。
2016/6/29笛吹き野郎
私にとってカフェとは
「味・内装・BGM」なのだが
旅先でのカフェの出会いではこれに
「旅情」が加わる。
姫路で何カ所か喫茶店に入ったが
心に残ったのは
まるで中目黒であるかのような
お洒落カフェでなく
AMラジオがかかりカフェ飯のはずが
豚肉定食(大雑把盛り)を
お爺が秒速30cmで運んでくる喫茶店。
ディスプレイには埃がかかり
常連と雑談している。いいではないか。
味も良かったし味もある。
恵比寿で俺ランキング一位に踊りでた
一滴づつ呪文をかけるように湯を注ぐ
老舗珈琲店二代目の至福の時も
あの釣り銭の足しが無く
5分も待たされたあの店を思いかえす。
2016/2/7笛吹き野郎
12/23日ライブacoustiQui
旧知のギタリスト五十嵐氏に誘われ
acoustiQuiでクリスマスなライブを演った。
プログレッシブなQui曲、いなたいミコル嬢の曲に加え
ケイト・ブッシュ、ミルトン・ナシメント、
イングウェイのギターソロをフルートで、
天国への階段のギターソロをフルートで。
(二人もいるギタリストは伴奏のみです。)
ミコル嬢はマークボールズ、
ロバート・プラントとなり熱唱。
最近の私はフルートにファズをかけ、
イングウェイ、ジミー・ペイジをを
完コピしてるとは、
ギタリストになりたいのだろうか。
大変盛り上がったライブだったが
最高潮はワムのラストクリスマスのサビで
五十嵐氏がマイクを奪い
ミコル嬢が奪い返し
やいのやいの言いってる上から
私がレノンのハッピー・クリスマスを
歌いだした所でしょうか。
2015/12/26笛吹き野郎
11/17日ライブ
アクシデント、はライブにつきもの、で
当日ギターのエフェクターのノイズがひどく
たまたまあったPAさんの知合いの作った
自作エフェクターをお借りし、事無きに。
ライブ中にドラムの部品が壊れたとかで
「何かMCでつないで」と言われ
じゃあフルートソロ吹きます、と
即興で始めるうちバーバーの
「弦楽の為のアダージオ」に
これもアクシだが気に入った演奏になった。
この日の目玉、ミコル嬢の歌との共演は
アコースティクイの成果もあり
ゴリゴリ・インスト曲が
マイルドに生まれ変わり
アンコールのアドリブの掛け合いも含め
好評だった。
完成度、も大切だがアクシデントも
ライブ感を楽しむ重要なスパイスだ。
2015/11/23笛吹き野郎
ライブとカフェ巡りの両立
その日は元町中華街に向かう事から始まった。
シャレたシャレた商店街を抜け
その先にあるバス停から
寂れた隣町・本牧へ
ここに目指すカフェがある。
薄暗い木目の内装にタンゴがかかり
コーヒーとしかかかれていないメニュー。
ここの珈琲はわざわざ向かうべき
奇跡的な美味さだ
店主は妙齢の女性である
本牧で。奇跡だ。
ほくほくしながら、そう遠くないライブ場へ。
メンバーには新曲の譜面が3つ渡っているが
今日はそのうちの一曲を演る
私の書いた新曲の方はお預けだ。
何回目かの対バンの烏頭(ウズ)は
力強いプログレで
我らQui(クイ)は男臭いジャズロック。
最後に全員でダチョウという曲でセッション
インプロ部分での拍子が楽しかった。
2015/7/1笛吹き野郎
楽器を修理に出し、
先日やっと帰って来た。
だいぶひどいですねー、等と言われ
大枚を叩(はた)いた挙げ句、
定期的に調製しに来た下さいね、と
やんわり注意される。
自分の物なのに自分よりもそのものに詳しく
じっくり観察されたあげく酷いですねと言われる、
これはあれだ、同じ経験をしたぞ。歯医者だ。
甘味道を進む以上、避けるべくも無く
虫歯に苦しむ訳だが
やはり伸ばし伸ばし騙し騙しに、そして
酷い状態にしては先生に
もっと早く来れば軽くすんだのにと言われる。
楽器が絶好調になった今、
歯医者の検診の時期が迫る。
2015/5/12笛吹き野郎
箇条書きの日常
古い友人に誘われセッションに参加。
元ライブハウス店主で
その頃の常連が集まる
私は常連という程ではなかったが
それでも見覚え聞き覚えのある面々
よく知らないブルースなんか演り楽しき。
フルートを久しぶりに修理に出す。
私の顔を見ながら
「全部悪いです」と言われる。
どうもすいません。
クラシック企画のためガーシュインもさらう。
ジャズで取り上げられるとそんなものかと思うが
元ネタの映画音楽、など聴くと
とても素敵な「映画音楽」
私はこの頃のミュージカル映画等が大好きだ。
2015/4/18笛吹き野郎
鎌倉の景観の良いスタジオで
3時間で11曲という、
ぶん殴ったら11人倒れたみたいな
男らしい一発録音。これは普段から
完成度とヤッツケ度の高い
ジャズロックバンドQuiゆえ。
素晴らしいメンバーである。
過日
2時間で新曲11曲あと本番よろしくな
ボサポップスのリハ。
テーマは90年以降の映画音楽の名曲
コックと泥棒からナイマンメドレーで
ピアノレッスンをフルートで完コピ
ティンホイッスルで本気の
タイタニック・アイリッシュセッション
変え指のトレモロや指穴ビブラートなど
尺八の首振り3年ではないが
アイリッシュ独特の奏法は難しいが
挑戦しがいがある。
2014/8/1笛吹き野郎
ブラバンコーチの帰りに
友人のやっている中国茶カフェに行く
あ、シュガーが来たと第一声
甘党の時々笛を吹く人という認識らしい
中国茶の第一煎めは器にとり
急須にぶっかけて蒸らし直しに使う
すると段々お茶の香りが立ってくる
二曲目位から客席も暖まる、ようなもんか
カップにもかけ、まずは香りを楽しむ
一連のイントロの後
小さなカップに注がれたお茶を
自然と小微小微味わう
二煎三煎と味わいも変化する
高いお茶はグラム何千円もするのよ
これはそうでもないけど
ほう,いっそう小微小微
彼女は昔歌を歌っていたが、これは
新しい曲の奏(かな)でかたかな
2014/7/21笛吹き野郎
小嶋佐和子嬢のCD発売記念ライブに
田園調布へ。日本で最も閑静でハイソ
な場所、にふさわしく
落ち着いた美しい歌が響く。対バンの
スリーピングビューティーは
十年来のレーベルメイト
こちらもお客さんが皆、
耳をそばだてて聴くような
静かな演奏。
静かで美しいとは何と心地よい事か。
過日、
ロック詩人と老舗ライブハウスに出演。
野毛-日ノ出町。
駅前にストリップ小屋、ゲイ映画館、
酔っぱらいが何となく話しかけてくる
日本で最も下世話な場所。
演奏前にホルモン屋で一杯引っ掛けて
ほぼ雑音と怒鳴り声の対バンの後、
東氏はスポーツ紙の見出しと
お客さんからのつぶやきを集め
ロックのビートに乗せて
「現代」を眼前にシレっと置くような
パフォーマンス。
2014/7/16笛吹き野郎
映画音楽をテーマにライブ。
ローズ、チムチムチェリー、等の他、
変わった所では
スメルズ・ライク・ティーン・スピリット
映画「ムーランル−ジュ」で使われていた
元曲はニルバーナだがポールアンカが
ビックバンドジャズアレンジでカバー
それををたたき台に今回は
モードジャズ風にアレンジして演った。
ムーランルージュは素敵な映画で
特にユアンマクレガーの歌が上手くて
とにかくワクワクする。
映画「普通じゃない」の中でも
ビヨンド・ザ・シーを歌っていて激上手い。
人は気分が良いと鼻歌を歌うが、それが
劇的に昇華されたものが
ミュージカルなんだと思う。
2014/5/13笛吹き野郎
アコースティックイというイベントを演った
プログレジャズロックのバンドQUIの曲を
アコースティクな小編成で
歌も付けるという企画で、歌っていただく
ミコル嬢の持ち曲も、面白そうなカバーもと
気づけば結構盛り沢山な選曲になった
特に
全く7拍子20拍子、息継ぎも考えてないような
変拍子かつ歌に向かないメロディーに
作詞までしてもらって歌い上げていただいた
ミコル嬢にはあきれるほど感謝だ
ブラジルの声と称されるミルトンの
ポンタジアレア
ジャバンの精妙なコード進行の
サムライ
小林亜星のCM曲
夜が来る
ギターヒーロー、ジミヘンの
リトルウィングなど
カバー曲もバラエティがあり楽しかった
次回6/30に
ファンタスティックイが決まっている
2014/4/20笛吹き野郎
先日の四谷でのライブ
一曲アイリッシュのカバーを演る
段々エフェクトの扱いにも慣れてきた
久しぶりにピカピカ奏法をしたら
お客さんには喜んでいただけたようだ
対バンの友人バイオリニストは
フェイスペイントで登場
石を写真に撮るのが趣味で
美的センスがある、うらやましい
PJR/プログレジャズロックQuiは
バンド歴も長く。変拍子、即興から
また変拍子と阿吽(あうん)の呼吸で
アイコンタクトも無しに移ってゆくが
たまにゲストが入り自由な構成にすると
その方は阿形でも吽形でもないので
/ゲスト形である/
どぎまぎさせてしまう、これは
かえってコミュニケーション能力が
低下しているのでは、反省
2014/4/12笛吹き野郎
年末最後の都内ライブは
新しめで綺麗な大久保のジャズ箱で
ジャズロックバンド
男塾なプレイ満載であったが
最後に、聴きにきていただいていた
女性ミュージシャン四人も加わり
奇跡的に華やかなセッション
素敵な余韻にひたりつつ、すぐさま
年末恒例の姫路ライブへと向かう
実はこの姫路ライブ場で
密かに試した技が二つあり
一つは先日いただいた南米の角笛を
ホラ貝のように吹き鳴らし
もう一つは最近売り出し中の
エフェクト奏法にピカピカ奏法を加え
「エフェクトリカルパレード」
と名付けて一人、悦に入っている所だ
一人、悦に入っている
2014/1/5笛吹き野郎
六本木で詩と牡丹鍋のイベント
ロックのリズムを従(したが)えて
時事を即興的に語るアズマ氏
ステージ前にはイノシシ鍋が香る
お客さんに事前に書いてもらった
お題をクジボックスから引き
そのお題で即興コント
そしてロック、そしてコント
昔のスネークマンショーの実演版
のようでもあった
過日
生徒がレッスン当日に歯医者で
麻酔を打たれたとかで
全然音が出ないという
もーしかたがないので
姿勢とか心構えとか、おや結構
色々言う事あるぞと思っていると
麻酔が切れてきたようで最後に10分
頑張って音を出す、色々頑張れ
来週がんふぁりましゅ、との事
2013/12/25笛吹き野郎
梅ヶ丘駅前のわりと密集した地域のイベント。
カフェやらカフェやらライブ場やらで
色々な興行が行われる企画
ちょい隣には馬頭琴持った人や
お向かいにはミッキーカーチスがいたり
わりとよく判らないが
我々はバカラック・ボサを演奏。
バカラックの曲は素敵で複雑、
メリーゴーランドのよう。
パッと聴き耳心地良いが深く触れると
和音進行や変拍子に目が回る。
演奏後、向かいのカフェで
ユルいセッションを演ってたので乱入。
セッションホストのサックスおじさんは
歌物の途中で吹きながら出口まで歩いて行き
受付のお姉さんとちょいと談笑して、
サビ終わりにはオブリ吹きながら帰ってきた。
俺も自由は好きだ。
Waveやりませんかと言われ、それならと
気を使わぬアドリブで大波くらわせた。
2013/10/2笛吹き野郎
八戸のホールでの演奏は天文学との
コラボレーションであった。
客席最前列あたりから舞台天井に
半透明の写幕を張り星々を映しながら
天文学者が解説
舞台奥にスポットが当たると演奏者が
土星の輪の上に透けて見えるという
素敵すぎるシュチュエーション
宇宙バックのジスモンチの演奏は格別
月面をバックに月光を弾いた紳士は
主催者タク氏のお父様だそうで
梗塞で倒れられたあと、リハビリに
ピアノを取り入れ、今回奇しくも
お披露目の感動的な舞台となった。
ほぼ一年ぶりの八戸公演だったが
去年も聴いていただいたお客さんもいて
感慨深くとても嬉しい
2013/9/14笛吹き野郎
映画「風切羽」音楽担当、洞澤氏と
上映後のスクリーンをバックに
テーマ曲を演奏、家督や役者さんが
挨拶するときしか上がれないわけだから
実は貴重な経験だ
四谷でのシンカのライブは
Drチャコ嬢のボーカルの即興も入り
何か新しい事が始まった感じだ
ロック詩人東氏と二年ぶり
彗星のごとく何年かごとに共演する
ずっと気になり合う存在で
あり続けられたらと思う
六本木でのジャズロック
ライブレコーディングだったが
理想的とは言えない音環境の中
やり直し無しのれ録音なんて
考えてみると一番過酷だ
初披露5曲のカバー特集
今年中には世に出るらしい
2013/7/4笛吹き野郎
カブサッキとのデュオの話をいただいた時
アルゼンチン音響派も知らないし
タンゴな人でも無いらしく
これはまた海に漕ぎださねばと思った。
比喩である、
初めてのジャンルと演る時は
いつもこう感じるのだ。
実際に手を合わせてみると
彼の暖かく誠実な人柄に裏打ちされた、
ギターの音色、フレーズ、ノイズの入れ様
そのセンスひとつひとつに魅了された。
アル音響は抽象的なカテゴリだが、私は
密かに彼の音楽と近代ラテンアメリカ文学
との関連を推測した。
それはどこか懐かしい風景の中で不条理を
つきつけられ答えも無く終わり、
鑑賞する者は、心の中で無限に
答えを想像してゆく、そんな共通の魅力を
彼の懐の深い音楽に感じた。
ありがとう、また会おうカブサッキ!
2013/6/16笛吹き野郎
タップダンスとフルートとのデュオライブ
何を隠そう、実はタップが大好きなのだ
古いミュージカル映画でのアステア、
ジーン・ケリー等は私のアイドルなのだ
ビデオをコマ送りにしステップを
素人ながら真似るのが楽しかった
ダンスはどんな国にも特色あるものがあり
アイリッシュ、カントリー、スパニッシュ
等、足技に特徴ある物も多い
タンゴ、ジャズ、エスニック津軽民謡まで
世界の音楽をタップダンサー米沢氏に
ぶつけ、強制的に世界を渡ってもらい
もちろん各自のソロもたっぷり、と
濃いいものとなった
笛のバックでこんなステップは、と
未熟ながらプロの前で踏んでみたり
振り返ると赤面だが
新しいジャンルとの共演はいつでも
チャレンジングで刺激的だ
2013/6/1笛吹き野郎
即興の風景(戦奏の曲面編)
新兵には解らない
何故あれほど強く踏み込めるのか
右の爆発を左の爆風でしのげるのか
目が眩(くら)まないのか
戦曲は地雷の埋まった泥地(プログ)
ここは戦場、誰もが無事にミッションを
終われるようにと祈る
ミスすれば我が身に傷を負うのだ
Gはディレイにチョーキングをかけ全てを
燃やし尽くす勢い
Dは近づく物はみな叩き落とすつもりだ
淡々と弾を込め続けるBは
その澱(よど)みない指の運びが返って
偏執的な執念深さを感じさせる
A・B・サビ地点を通過しfinまで侵攻
平常心と日常を犠牲に
静寂と轟音を弄(もてあそ)ぶ戦奏
2013/4/26笛吹き野郎
BandaPororoca 2days
独自の路線でブラジルを解釈するPf.Vo.須藤かよと
中南米音楽の権威、Par.ケペル木村氏、
The才女、Vl.五十嵐マヌエラ、そして協力にサポートする笛吹きによる
エルメート、ジスモンチ+須藤オリジナルを演るバンド。
一日目第一部はブラジル北東部ノルデスチ・ドキュメント映画視聴。
ケペル氏の圧倒的な見識に基づく解説に、サンバ、フォホー、フレボなど
ブラジルのリズムの原初を垣間聞いた。
続く第二部のライブは
日本の北東部青森をテーマにした和風なオリジナル「津軽」、
ジャパンの原初、越天楽にノルデスチのリズムを乗っけたあと
ブラジルの近代ビラロボスの「カイピラの汽車」をメドレー。
エルメートの7拍子曲「ミストラーダ」
ジスモンチの超速曲「カラテ」と難曲「フレボ」など
コアなブラジルも満載でショーロ「Lembrei do Ceara(セアラの思い出)」
も難曲。しかし終わってからの懇親会もあり
まったく濃ゆいブラジル談義を満喫。
目眩(めまい)がする程の充実だった。
2013/4/6笛吹き野郎
ゾディアックという
ブラジル+青森ラブな
ユニットとセッション
去年呼んでいただいた
青森のイベントを仕切っていて
東京に来た時は是非共演しようという
話が実現したのだ
ウン・ドィスとポル語カウントで始める
三社祭や八幡馬という歌そしてMCは
彼らの人柄のように暖かい
彼らは震災、原発の問題についても
行動していて
東京より切実にとらえている
青森と比べた東京の華やかさは
彼らにはうら寂しく
見えるのではないか
私も東京はいまだ明るすぎると思う
2013/2/3笛吹き野郎
アベレージ30という四人のライブ
包容力と巧さのドラム
若く柔軟で地力のあるタップ
体を操(く)るという表現を感じる舞踏
多様性と推進力の笛吹き
暗闇に懐中電灯で浮かび上がる顎ダンス
ウェイブ(電気)ドラムとタップ
今回、エラい人の証「懐中時計」
を持った人がメンバーに、
デュオでやれ、やめろ、とか
命令できるシステムを導入
ボレロを、かのジョルジュドンの
手の動きから発展するの逆で
倒立して足さばきからやってくれだの
AKB、泳げ鯛焼君、ぱいのぱい、通りゃんせ
/平成・昭和・大正・明治以前の流行歌/
のメロディーを入れ込む、など
アイディアを色々出し合った
踊・タップ(20代)太鼓・笛(40代)の
平均すればアベレージ30という話
2013/2/3笛吹き野郎
Go to Cafe
綺麗に配置された店内
珈琲もスジ煮込みカレーも美味しく
素晴らしく特別なオーディオシステムで
品の良いジャズが流れているが
またもや我々以外にはお客がいないのだ
優れた音楽家である事と仕事が出来る事
は別の事、と言われたのを思いだし
複雑、複雑
で、楽譜の打ち合わせに来たので
特別システム、品良い演奏を無視し
メンバーと
楽譜を付き合わせ別の音楽の話
可哀想なビリーホリデイ
食後のブラジル珈琲の
色に違(たが)わぬ真黒い味と、
デザートのオレンジは意外に合う
美味い、けれども珈琲もオレンジも
残り半分は砂糖まみれにするのが私の好み
そういう事なのだ
2012/7/31笛吹き野郎
--BGM--
These Foolish Things (Billie Holiday)
http://www.youtube.com/watch?v=qO0Bn_H4C3M&sns=em